2014年12月20日
Scope & DotSight
こんにちは。
今回はACOG以外の照準器についての考察を始めたいと思います。
まずはスコープについてです。
こちらはM249/M240向けのElcan社のM145というものです。
カナダ軍で採用され、ほぼ全ての小銃に装備されたC79の米軍モデルで、NATO諸国で広く使用されています。
現在海兵隊においては前述したTA11やTA648への移行が進んでいます。
倍率は3.1倍で1200mまで対応できます。
スコープの中でも狙撃銃用のものは本体とセットで配備されますがこれは狙撃銃は銃本体だけでなくその備品も含めて一つのシステムとして登録される為です。
まずはM40向けのものですがこちらは時代により3種類ありますが現在用いられているM40A3とA5向けのものについて紹介します。
まずはUnertl社のMST-100というものでこちらは2007年頃まで使用されていました。
倍率は10倍で1500m程まで対応しています。
そしてMST-100を更新したのがSchmidt & Bender社のM8541 Scout Sniper Day Scope (SSDS) というものでかなり高価、高性能なもののようです。
この海兵隊向けの採用により会社の知名度も上がったようです。
ちなみにこのM8541はそれ以外にもM39 EMRやMk.11、さらにはM82でも採用されています。
倍率は 3-12x50倍可変で1500mまで対応しています。
M14 DMRやM110等で採用されているこちらはLeupold社のMark4 LRT M3 TMR SCOPEというものです。
倍率3.5-10x40で1500mまで対応しています。
※これらの大型のスコープは時代やバリエーションにより違いがありますので代表例を掲載しました。
SAM-R用のこちらは同じくLeupold社のMRT 2.5-8x36mm Mildotというものです。
倍率は2.5-8x36倍可変で700mまで対応しています。
続いてドットサイトですがまずこちらはM32専用のものでMilkor社のM2A1 Reflex Sightというものです。
素早い仰角調整ができ、M39の使用例では必ずといっていいほど装着されています。
少なくとも海兵隊での使用例は見たことがありませんが、ドットサイトがチューブタイプではなくオープンタイプのものもあるようです。
基部はそのままでサイト部のみを換装したものかもれませんが......
続いてAR-15系小銃向けのものですがこれらは特殊での使用が一般的で一般ではあまりみることはありませんのでご了承ください。
まずこちらはEOtech社のホロサイトです。
ホロサイトは無倍率でドットサイトと似ていますがホログラムを利用しているので照準のズレが少なく素早いサイティングが可能となります。
ACOGをブースター代わりに使用している例もあります。
続いてこちらはITL社のMARS (Multi-purpose Aiming Reflex Sight)というものでドットとレーザーを併用できます。
またleupold社のものですが、こちらはMark 4 High Accuracy Multi-Range Riflescope (HAMR)というものでドットサイトとスコープが簡単に切り替えることが出来ます。
倍率は4x24です。
特殊では装備品を自費で更新することが多少黙認されているのでこれ以外の光学機器の使用もあるようですが今回はここまでとします。
次回は光学機器から少し逸れますがアイアンサイトについてのお話です。
それでは、よいお年を( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む
今回はACOG以外の照準器についての考察を始めたいと思います。
まずはスコープについてです。
こちらはM249/M240向けのElcan社のM145というものです。
カナダ軍で採用され、ほぼ全ての小銃に装備されたC79の米軍モデルで、NATO諸国で広く使用されています。
現在海兵隊においては前述したTA11やTA648への移行が進んでいます。
倍率は3.1倍で1200mまで対応できます。
スコープの中でも狙撃銃用のものは本体とセットで配備されますがこれは狙撃銃は銃本体だけでなくその備品も含めて一つのシステムとして登録される為です。
まずはM40向けのものですがこちらは時代により3種類ありますが現在用いられているM40A3とA5向けのものについて紹介します。
まずはUnertl社のMST-100というものでこちらは2007年頃まで使用されていました。
倍率は10倍で1500m程まで対応しています。
そしてMST-100を更新したのがSchmidt & Bender社のM8541 Scout Sniper Day Scope (SSDS) というものでかなり高価、高性能なもののようです。
この海兵隊向けの採用により会社の知名度も上がったようです。
ちなみにこのM8541はそれ以外にもM39 EMRやMk.11、さらにはM82でも採用されています。
倍率は 3-12x50倍可変で1500mまで対応しています。
M14 DMRやM110等で採用されているこちらはLeupold社のMark4 LRT M3 TMR SCOPEというものです。
倍率3.5-10x40で1500mまで対応しています。
※これらの大型のスコープは時代やバリエーションにより違いがありますので代表例を掲載しました。
SAM-R用のこちらは同じくLeupold社のMRT 2.5-8x36mm Mildotというものです。
倍率は2.5-8x36倍可変で700mまで対応しています。
続いてドットサイトですがまずこちらはM32専用のものでMilkor社のM2A1 Reflex Sightというものです。
素早い仰角調整ができ、M39の使用例では必ずといっていいほど装着されています。
少なくとも海兵隊での使用例は見たことがありませんが、ドットサイトがチューブタイプではなくオープンタイプのものもあるようです。
基部はそのままでサイト部のみを換装したものかもれませんが......
続いてAR-15系小銃向けのものですがこれらは特殊での使用が一般的で一般ではあまりみることはありませんのでご了承ください。
まずこちらはEOtech社のホロサイトです。
ホロサイトは無倍率でドットサイトと似ていますがホログラムを利用しているので照準のズレが少なく素早いサイティングが可能となります。
ACOGをブースター代わりに使用している例もあります。
続いてこちらはITL社のMARS (Multi-purpose Aiming Reflex Sight)というものでドットとレーザーを併用できます。
またleupold社のものですが、こちらはMark 4 High Accuracy Multi-Range Riflescope (HAMR)というものでドットサイトとスコープが簡単に切り替えることが出来ます。
倍率は4x24です。
特殊では装備品を自費で更新することが多少黙認されているのでこれ以外の光学機器の使用もあるようですが今回はここまでとします。
次回は光学機器から少し逸れますがアイアンサイトについてのお話です。
それでは、よいお年を( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む
2014年12月13日
Trijicon
こんにちは。
今回は光学機器、特にTrijicon社製のACOGスコープについての考察を始めたいと思います。
使用銃器により適正な倍率や用途が異なるのでそれぞれ専用のものが用意されていますが集光部や対物レンズ側のルーフ、左側面のデータマトリクスコードと細かな刻印、右側面のTrijicon ACOGの凸刻印があることは共通しています。
集光部で取り入れた光でドットを光らせ、夜間や暗所では放射性物質のトリチウムの発光で光を補う為電池切れ等の心配はありませんが、トリチウムの半減期は12年と短めなので時間経過とともに自然発光は弱くなります。
オプションとしてキルフラッシュが付属していますが、装着すると光の反射を抑えられる反面視界明度が80%ほどに落ちてしまうので使用率は半々程度です。
まず、一番知名度が高いAR15小銃向けモデルはTA31RCOですがM4向けはTA31RCO-M4CP、M16A4向けはTA31RCO-A4CPといいます。
しかし外見上の違いは刻印とキャリングハンドルに設置できるかどうか程度の違いのみで、M4がAN/PVQ31B、A4がAN/PVQ31Aという名前で採用されています。
倍率は4x32で800mまで対応できます。
右利きだと銃を保持する際に必然的にネジが自分のほうへ向いてしまい引っかかる為かマウント部分を左ネジから右ネジに付け替えたり、ハイマウントにするためにLaRue社のLT622やGDI社のR-COM(Combat Optic Mount) E-Modelに換装したりと小規模な個人改良はあるようです。
ネジの付け替え
LT622
R-COM
LT622は市販のLT100というモデルのマウントを海兵隊からの依頼により留め具の位置を左右反転して製造したものです。
先程のネジの付け替えと同じように装備との干渉が気になる現場の声が大きかったのでしょうかね?
付属のポーチも用途は不明ですが装備していることがあります。(先頭腰部)
M249/M27IAR向けのモデルはTA11SDO-CPといものでSU-258/PVQ Squad Day Optic(SDO) という名前で採用されています。TA31との外観上の大きな違いはスコープの大きさと上に載ったバックアップ用のミニドットサイトです。
倍率は3.5x35で1000mまで対応できます。
しかし、M249もM16等と同じ5.56mm弾を用いるので弾道特性がそこまで違わない為かTA31が用いられていることもあります。
続いてM240向けモデルですが、こちらはTA11よりさらに大型のTA648というものでSU-260P Machine Gun Day Optic(MDO)という名前で採用されています。
上部に設置された2段のレイル、サイト後部の集光パーツが特徴的です。
バックアップ用としてTA11のものと同じようなドットサイトが搭載されていることが多いです。
倍率は6x48で1200mまで対応できます。
ACOGはこのように個人火器全般に用いられていますが欠点もあり、小型化の為に用いられた非球面レンズの影響でアイレリーフが極端に短く、覗き込むように照準しなければならないのでリコイルで目に接眼レンズの淵が当たってしまったり、そもそもこの非球面レンズがとても高額でただでさえ貧乏軍隊の海兵隊の戦費調達を困難にさせてしまっています。
次回はその他のスコープ、サイト等についてのお話です。
それでは、また( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む
今回は光学機器、特にTrijicon社製のACOGスコープについての考察を始めたいと思います。
使用銃器により適正な倍率や用途が異なるのでそれぞれ専用のものが用意されていますが集光部や対物レンズ側のルーフ、左側面のデータマトリクスコードと細かな刻印、右側面のTrijicon ACOGの凸刻印があることは共通しています。
集光部で取り入れた光でドットを光らせ、夜間や暗所では放射性物質のトリチウムの発光で光を補う為電池切れ等の心配はありませんが、トリチウムの半減期は12年と短めなので時間経過とともに自然発光は弱くなります。
オプションとしてキルフラッシュが付属していますが、装着すると光の反射を抑えられる反面視界明度が80%ほどに落ちてしまうので使用率は半々程度です。
まず、一番知名度が高いAR15小銃向けモデルはTA31RCOですがM4向けはTA31RCO-M4CP、M16A4向けはTA31RCO-A4CPといいます。
しかし外見上の違いは刻印とキャリングハンドルに設置できるかどうか程度の違いのみで、M4がAN/PVQ31B、A4がAN/PVQ31Aという名前で採用されています。
倍率は4x32で800mまで対応できます。
右利きだと銃を保持する際に必然的にネジが自分のほうへ向いてしまい引っかかる為かマウント部分を左ネジから右ネジに付け替えたり、ハイマウントにするためにLaRue社のLT622やGDI社のR-COM(Combat Optic Mount) E-Modelに換装したりと小規模な個人改良はあるようです。
ネジの付け替え
LT622
R-COM
LT622は市販のLT100というモデルのマウントを海兵隊からの依頼により留め具の位置を左右反転して製造したものです。
先程のネジの付け替えと同じように装備との干渉が気になる現場の声が大きかったのでしょうかね?
付属のポーチも用途は不明ですが装備していることがあります。(先頭腰部)
M249/M27IAR向けのモデルはTA11SDO-CPといものでSU-258/PVQ Squad Day Optic(SDO) という名前で採用されています。TA31との外観上の大きな違いはスコープの大きさと上に載ったバックアップ用のミニドットサイトです。
倍率は3.5x35で1000mまで対応できます。
しかし、M249もM16等と同じ5.56mm弾を用いるので弾道特性がそこまで違わない為かTA31が用いられていることもあります。
続いてM240向けモデルですが、こちらはTA11よりさらに大型のTA648というものでSU-260P Machine Gun Day Optic(MDO)という名前で採用されています。
上部に設置された2段のレイル、サイト後部の集光パーツが特徴的です。
バックアップ用としてTA11のものと同じようなドットサイトが搭載されていることが多いです。
倍率は6x48で1200mまで対応できます。
ACOGはこのように個人火器全般に用いられていますが欠点もあり、小型化の為に用いられた非球面レンズの影響でアイレリーフが極端に短く、覗き込むように照準しなければならないのでリコイルで目に接眼レンズの淵が当たってしまったり、そもそもこの非球面レンズがとても高額で
次回はその他のスコープ、サイト等についてのお話です。
それでは、また( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む
タグ :COYOTE
2014年12月06日
Training Weapon
こんにちは、タイトル詐欺に近いかもしれません。
今回は訓練で使用される装備についての考察を始めたいと思います。
まずこちらはブランクアダプター、すなわち空砲を発砲する際に銃口を塞ぐものです。
色は黄色と赤色の2色あり、黄色はM4、赤色はM16での使用を想定したものとなっております。
が、海兵隊においてはむしろM4で赤色、M16で黄色の使用例の方が多く感じられます。
暴発等不慮の事故を防ぐ為に陸軍においては最近特に神経質に扱われていますが、海兵隊にしては珍しく扱いがルーズなようです。
もちろんマズル形状の異なるものそれぞれにも別形状のものがありますが、実用例が少ない為省略させていただきます。
続いてはペイントボール訓練での装備です。
ペイントボール訓練ではサバイバルゲームと同じ様にアイウェアと低殺傷のペイントボール銃を用います。
しかしエアソフトガンとは比べものにならない威力があるのでアイウェアはよりしっかりとしたフルフェイスタイプのSCOTTのものなどが用いられます。
そしてこのペイントボール銃は何故かアッパーはM16、ロアがM4、もしくはアッパーがM4でロアがM16の様なニコイチモデルが目立ちます。
リアサイトがないのにどう狙いを定めているのでしょう......?
近接格闘訓練ではこの様な木銃が用いられます。
更にラバー製のOKC3"T"(Training)もあります。
こちらはOKC-3Sとほぼ同寸でラバーとは思えない堅牢さ、重量を備えていますが鞘に収めることが出来ず、鍔もM9銃剣タイプの太めのものとなっています。
こういった近接格闘訓練向け装備が比較的充実しているにも関わらず、対人の銃剣訓練でも実物のOKC-3Sを用いることもあります。
ラバーは安全なのでダミーナイフ以外にもダミーの銃が用いられることがあります。
ハンドガンタイプだけではなく、
M4、M16を型取ったものもあります。
大抵の訓練向け装備は派手な青色や赤色で実物と誤認を避ける努力が為されています。
次回は光学機器についてのお話です。
それでは、また( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む
今回は訓練で使用される装備についての考察を始めたいと思います。
まずこちらはブランクアダプター、すなわち空砲を発砲する際に銃口を塞ぐものです。
色は黄色と赤色の2色あり、黄色はM4、赤色はM16での使用を想定したものとなっております。
が、海兵隊においてはむしろM4で赤色、M16で黄色の使用例の方が多く感じられます。
暴発等不慮の事故を防ぐ為に陸軍においては最近特に神経質に扱われていますが、海兵隊にしては珍しく扱いがルーズなようです。
もちろんマズル形状の異なるものそれぞれにも別形状のものがありますが、実用例が少ない為省略させていただきます。
続いてはペイントボール訓練での装備です。
ペイントボール訓練ではサバイバルゲームと同じ様にアイウェアと低殺傷のペイントボール銃を用います。
しかしエアソフトガンとは比べものにならない威力があるのでアイウェアはよりしっかりとしたフルフェイスタイプのSCOTTのものなどが用いられます。
そしてこのペイントボール銃は何故かアッパーはM16、ロアがM4、もしくはアッパーがM4でロアがM16の様なニコイチモデルが目立ちます。
リアサイトがないのにどう狙いを定めているのでしょう......?
近接格闘訓練ではこの様な木銃が用いられます。
更にラバー製のOKC3"T"(Training)もあります。
こちらはOKC-3Sとほぼ同寸でラバーとは思えない堅牢さ、重量を備えていますが鞘に収めることが出来ず、鍔もM9銃剣タイプの太めのものとなっています。
こういった近接格闘訓練向け装備が比較的充実しているにも関わらず、対人の銃剣訓練でも実物のOKC-3Sを用いることもあります。
ラバーは安全なのでダミーナイフ以外にもダミーの銃が用いられることがあります。
ハンドガンタイプだけではなく、
M4、M16を型取ったものもあります。
大抵の訓練向け装備は派手な青色や赤色で実物と誤認を避ける努力が為されています。
次回は光学機器についてのお話です。
それでは、また( ´ ▽ ` )ノ 続きを読む